巡礼初日 分け入っても分け入ってもピレネー しかしわたしの心臓は破れなかった!
さぁ、今日から実際に歩きます!
ということでサンチャゴ巡礼最大の難所である心臓破りのピレネー越えです
初日から最大の難所って配分悪くね?
朝の6時には出発しようと思ってたのですが、宿のオーナーに「6時には夜だから8時頃にしなさい。この美しい景色を見て記憶に残すには6時は早過ぎる」
と言われました
しかしこの激混みの夏にちんたらしてたら泊まるところがなくなってしまう!
ということで7時に出発しました
(ほんとは6時半にしようと思ったらパッキングに手間取って遅くなっちゃった💦)
ようやく白みかけた空の下、歩き出しました
すっごく背が高いトウモロコシ畑とか、すぐ隣で列を作って歩く白い牛の群れとか、日本の5倍くらい大きな竜舌蘭の葉っぱとか、ひとつひとつにきゃっきゃっ言いながら(独り言で)
歩いておりましたが
開始1時間もせずに心臓破れそうな急勾配過ぎる坂道を登ってました…
なぜあんなに激しいの…
進まない進まない…
気温的には寒いはずなのに汗が噴き出します
始めの給水ポイントまでで500のペットボトルが空になったので水を汲んで、また歩き出します
4分の1を歩いたところでバルを発見して、みんな一目散に駆け込みます
わたしも負けじとカウンターにへばりつき、カフェコンレチェ(カフェオレ)とマドレーヌを朝食にします
その後もひたすらひたすらひたすら急勾配な坂道を登り、
ピレネーにいるのにわたしの汗と鼻水はイグアスの滝のようだわ、ハハハ…
なんて呟きながら歩きました
少しフラットな草原を見つけたので小休憩
見よ、この派手な靴下を!
ワークマンで買った土踏まずにサポーターがついてる靴下です
今日はピレネー越えということで、日本が世界に誇るコンプレッションタイツ、C3fitとお気に入りのワークマンの靴下で挑みました
この装備で正解だったと思う
上り坂の途中で右のふくらはぎの筋肉がぐりんってなったけど、すぐに戻ったもん!(何を言ってるかわからないって?わたしもです!)
水玉柄のお気に入りトレッキングポールも自分なりに最大限駆使しました
正直ポールなしのピレネーはわたしには考えられない
上り坂ばかりがしんどいんじゃなくて、下りも同じくらい急なんです
想像して
重いバックパックを背負ってやたら急勾配な下り坂…
距離が進まないのはむしろ下りです
気を抜くと転びそうになるし、足首ぐにっていきそうなるし…
慎重に慎重に下るとふくらはぎの小さな悲鳴が聞こえてきます
後半は股関節の狂気の叫びと戦いながら歩きます
やっとこ着いたロンセスバージェスの公営アルベルゲはすっごく大っきくて収容人数が138人です
着いた順にベッドが決まって、わたしは努力の甲斐があって2階のお部屋でした(スペインの2階は日本の3階に相当します)
遅く着くとさらに上の階になりベッドまでが遠く遠くなります
巡礼予定の方はどんなにしんどくてもなるべく早めにアルベルゲに到着することをオススメします
シャワーを浴びて(なぜか男性用のシャワー室でシャワーを浴びてしまったわたし)、出来立てほやほやの左足小指のマメに挨拶して辺りをうろうろします
お土産屋さんで、ママンからの宿題のひとつ
☆修道院が作る美味しいクッキーを探す
をクリアしました
見るとどこのお土産屋さんでもあるっぽいので買うのはサンチャゴでいいかな
そしてアルベルゲのすぐそばの小さな教会でピルグリム(巡礼者)を祝福する為のミサがあるというので参加しました
厳かな雰囲気の教会にいかにもピルグリム!な人達が集い不思議な光景でした
司祭さん?が5人入ってきて歌い出しました
ママンがよく話してくれたグレゴリオ聖歌だと思います
それを聞いた途端気が緩んだのが涙が溢れて止まらず、号泣するわたし
隣に座るとっても敬虔なクリスチャンなおじさんも泣いてました
司祭さんは参加してるたくさんの国の言葉で説教をしてくれ、最後に日本語でも「サンチャゴのご加護を、アメン」と言ってくれました
参加してる日本人はわたしのみでしたので本当に嬉しかったです
ミサの後はアルベルゲのポスピタレイロ(オーナー)が営むレストランでのディナーです
さっきのおじさんの隣に座りました
ロンドンから来たカトリック教徒だそうで、ピレネーで必死にしがみついて歩くわたしを見たと言っていました
最近の若い人や観光目的の人達はピレネーをバスでばびゅーんと突っ切るのに、君はしっかり歩いた!
巡礼はチープな心で挑んでもなにも得られない、バスで行く意味はなんだ?君は日本人として、巡礼者として自信と誇りを持って歩くべきだ
そして日本に帰ったらそのことを日本人に伝えるべきだよ
と言われました
少しナーバスになっていたわたしはとっても嬉しくて嬉しくて…
あぁ、彼の隣に座れてよかったと心から思いました
巡礼の動機を聞かれたので話すと、とても素晴らしい!君の人生はとても豊かになる!それは正に自分が理想とする生き方だと言われました
そんな大層なこと言ってないし、むしろヘタレ過ぎてカッコ悪いのに…
ロンドン紳士はヘタレを褒めるのがうまいことがわかりました
その後カタルーニャ在住で日本大好きなエスパニョルに日本人大好きだ!君はカタルーニャに住まないか?と熱烈に口説かれました(笑)
そして日本に自分が移住することになったらぜひ世話してくれ!と言われました(笑)
とても楽しい夜になりました♪( ´▽`)