27日目 チョコレートタウン
今日はちょっぴり寝坊して6時半に出発し、パラモから27キロちょっと離れたアストルガまで歩きました
途中で突然
「君どこから来たの?」とわたしのおしりに向かって話かけてるっぽい人がいて、振り返るとエナクっぽい人が立ってました
エナク!と思ったら違うおじさんでした(メガネが違ったからわかった)
ドイツから来たというこちらの男性、なんとフランスのル・ピュイから歩いてると言います
途中でタクシーを使ったり、急用で一旦帰国したりで、なんと巡礼を始めて半年だそうです(笑)
先月の中頃サンジャンピエドポーから復帰したらしく、日本人は始めて見たと興奮してました
彼はいろんな人とお話するのが好きらしく「1日60キロ歩く人がいてね、その人はサンチャゴまで15日間で歩くつもりなんだよ!でもね、サンチャゴの事務所ではきっと信じてもらえないからコンポステーラはもらえないよね!(笑)」とか「66歳のスペイン人のおじさんがとっても足が速くて僕はいつも置いていかれるんだ!君との速度はちょうどいいね!」とか「僕が10年も掛けて計画、準備して挑んだサンチャゴ巡礼にたった3ヶ月で来ることを決めて、しかも遠路はるばる日本からひとりでやって来ただなんて…君はなんてタフなんだ!君ほどタフな女性は見たことない!」
とえらく興奮されてました
世界広しといえど、こんなヘタレのわたしをタフだなんて仰るのはあんただけだよ(笑)
いっぱい話すのはいいんだけど、その度足を止めるし、わたしが他の巡礼者にオラ♪ブエン カミーノって言う度に「知り合い?彼氏?」って聞いてくるのが正直ウザくて、彼が水を買うと言いバルに近寄ったところで知り合いを見つけて話してる合間にサクッと挨拶して離れました(その知り合いが大変失礼な態度だったのもあります)
その後はいつも通りのんびりひとりで歩いていて、途中ドナティーボの青空休憩所byヒッピー夫婦のところでジュースをもらって飲んでいるとソフィアがいました
髪を剃ったからか少し雰囲気が今までと違っていました
わたしが普段話さないような雰囲気の男性達に囲まれて和気藹々とお話してたのでなんとなく話掛けにくくて…向こうも気づいてないようだったのでそのまま来ました
やっぱり25キロ以上歩くのはちょっとキツイですねぇ…ラスト2キロは本当に自分との闘いです!
見えてるのに、こんなに近くにいるのに届かない!早く歩きたくとも
「もう、歩くの止めない?今日は野宿でいいじゃん…もうここでいいじゃん…」と足が言ってやがる!
そんな感じです
ちゃんと踏ん張って歩き切ってアルベルゲにいるけどね(。・ω・。)
なかなかオシャレな雰囲気のアルベルゲで、4〜8人一部屋がたくさんあるって感じのところです
わたしから新しい4人部屋に通されて、次に入って来たのは美しいお顔のイタリア人ニコラ
本当に美しいの!今回のカミーノのトップを争うほどの綺麗な顔の男の子でわたしは「え、むしろ困る(苦笑)」と思っていたところで2人組みのちゃりライダーのおばさん達が来たので安心しました
ニコラはなにかと話掛けてきて、拙いながらも英語でコミュニケーション取りました
お昼寝しててわたしが部屋に入ったから目を覚ましたのに「ふにゃ…あっ!さりあ♥️」と寝ぼけた感じで照れる顔の可愛いこと!!
なんだこの可愛い生き物は!連れて帰りたい!この子の為ならわたしはイタリア語をマジで習得するから!
と思えるほどの可愛さです
その後アストルガを散策して名物のチョコレートをお店をハシゴして買って、スーパーに寄ってジュースと夜ごはん用にミートパイを買って戻ると
「ふにゃ…あっ!さりあ♥️おかえり♥️どこ行ってたの?」とその可愛い生き物が特別に可愛い顔して言います
買ってきたチョコレートをひとつあげるとそれはそれは喜び早速可愛い顔で食べてくれました
そしてなぜかちゃりライダーのおばさん達がいなくなっていて、荷物もありません
「ふたりの女の子はいなくなったんだよ♪( ´▽`)」
はじめ女の子って誰のこと?と思ったらおばさん達のことでした(笑)
なんでいなくなってしまったの…可愛いニコラにいびきがうるさいのがバレるじゃない!てか女の子って(笑)
神様ってたまに本当にいい仕事するよなぁ…と感心していると
ニコラ「さりあ!ディナーはバル?アルベルゲ?」
さりあ「アルベルゲ。これ買ってきたの。なんかわかんないけど…ミートパイかな?」
ニコラ「たぶんオムレツだよ!僕も買い物行ってくる!また後でね!チョコレート、ベリーマッチ!!」
と可愛い可愛い顔してお出掛けしました
いや、どう見てもオムレツではないけど…可愛いからいっか
ねぇ、この会話、「夜ごはん一緒に食べよう」ってことだと思う?
2時間経っても帰って来ないし、友達とどうのこうのっても言ってたからわたし、ひとりで食べちゃったの、ミートパイ(やっぱりミートパイだった)
食べ終わって顔洗って荷物整理してたらニコラが帰ってきて、なぜかシャワー浴びてお着替えして
「さりあ!ディナー!」と言うではありませんか
「あ、ごめん、食べちゃった…」
可愛い可愛い顔はムッとしても可愛かった…
怒った風の可愛いニコラは扉も閉めずに行ってしまいました…
ごめん…( ˘•ω•˘ )
そんなわけで今夜はぷんぷんしてる可愛いニコラさんとふたりぼっちの夜です…
ニコラさんは彼女に見せたいとわたしとのツーショット写真を撮りました
(しかしわたしは女の勘ってやつでニコラさんには彼女がいないと踏んでいます)
ニコラさんが一体誰に見せるのかわかんないけど、可愛いニコラの隣に写る平たい顔のチョコレート色のアジア人は決して美しくないので、出来たら削除してほしいと思っております
美しい欧米人と写真は撮っちゃいけない!(´・ω・`)
順番がおかしくなっちゃった…
ふたつまとめて更新したら順番がおかしくなってしまって…
でも直せない( ˘•ω•˘ )
頑張って読んでください(笑)
25日目 5つ星だぜ(〃艸〃)♡
今日はゆっくり起きてキッチンでオスピタレロが淹れてくれたカフェコンレチェとジャムをたっぷり塗ったかたいパンをミックと一緒に食べました
「昨日の君達の言葉は本当に素晴らしい響きだったよ。」とうっとりと言ってくれました
そして「ところで君はどこから来たの?韓国?」と(笑)
まぁね、忘れちゃうよね(笑)
改めて出身国と親からもらった名前を告げると「あぁ!美しい国だね!はじめまして」と言われてしまった…認知症かしら…
前回はちゃんと聞き取れてちゃんと発音してくれた名前を今回は聞き取れなかったらしく、アメリカナイズされました
まぁ、次会ったときにまた自己紹介するのかもなので、敢えて訂正しませんでした
午前中はアルベルゲにバックパックを預かってもらうので、少しだけオスピタレロのお手伝いをして、ミックの誘いでアメリカ人女性(アラサー)とコーヒーを飲みにバルに行くことに
正直ふたりの会話は9割理解できませんでした…なんでだろ?本当にわかんなかった…ご当地会話も結構あったらしいけど…
ただ、こちらの女性はどうやら帰国後長年の夢が叶うらしくとても楽しみにしてると嬉しそうに語っていました
そして話題は最近のカミーノ事情についてになったようで、まだ若いこちらの女性は巡礼者がここぞとばかりにスマホで写真を撮りFacebookやTwitterに投稿するのを快く思ってないようなのです
「写真を撮るときは微笑むのに歩くときはいつも俯いてつまらなそうに歩いてる!わたしには理解できないわ!何の為のカミーノなの⁉︎楽しんでる?って聞きたくなる!」
と捲し立ててたのはなんとなく理解できました
え、別によくないですか?(笑)
何の為のカミーノでも
たとえそれがFacebookやTwitterに載せるネタの為のカミーノでも
だってね、考えてもみて
800キロだよ?800キロ歩くんだよ?
わたしは世界の反対側から来たからそれ相応の覚悟とかはして来たつもりだけど、例え同じヨーロッパの人でもちょっと覚悟のいる旅じゃない?カミーノって
それを写真に収めてSNSにアップして知り合いに見せて何が悪いの?
俯いてつまらなそうに歩いてるように見えたって、それでもよくない?
外側からその人の内側は見えないもの…必死に自分と闘ってるのかもしれないじゃない…
サーグンから歩いてるというこの女性は最早足の痛みでレオンに連泊すると言います
あなたの何倍も歩いてるわたしにしてみればあなたもまだまだ修行が足りないわよ(笑)
「あなたも毎日他の巡礼者と連絡先の交換に忙しい?」
とどこか上から目線で突然振られ、正直なところを話しました
「わたし、日本語しか話せないので例え連絡先聞いてもメールも電話もぶっちゃけ困るの…フリーWi-Fiないとどっちもできないし…それでも交換した人はこれまでに2人いてどちらとも帰国後ゆっくり時間をかけてメールのやりとりしようねと話したわ。毎日メールするのは自分のママンだけね
ママンは日本語でメールくれるし、とても心配してるから(笑)」
と言うとなんだか複雑そうな憐れむような不思議な目で見られました(笑)
うん、君それ失礼だから(笑)
なんだかよくわからない人だな、きっとまだまだ本当にカミーノが足りないんだろうな、なんて思いながら今日も再びカテドラルに来ました
スタンプだけ貰おうと思ったのですが、やっぱりまた見たくなって中に入ろうとした時…なんと関西弁が聞こえます!
辺りを見回すとどう見ても日本人ツアー御一行様を発見!
そっと近づいき、「あのー…日本の方ですか?」と声を掛けてみました
すると掛けられた女性は道でも聞かれたかのように自然に振り向き、振り向いてからびっくりしてました
(海外旅行中に日本語で話し掛けられても、違和感なく対応してしまうこと、その後自分が海外にいることを思い出し驚くことはよくあることです)
日本語が聞こえて思わず声を掛けてしまったこと、自分が8月から巡礼してることを告げると女性はとても驚き、少しお話してくれました
恐らくその女性のご主人に2、3質問され答えました
そして「日本語で話してくれてありがとうございました!とても嬉しかったです!」と別れ、カテドラルの中で静かな時間を過ごしてからスタンプをもらう為に隣の博物館に行くとさっきの御一行が来まして、どうやらわたしがひとりで歩いてるということはすっかり広まってるらしく、奥様方に囲まれたくさん質問されました(笑)
ご主人様方は奥様方ほどカミーノには詳しくないらしく、少し驚くような質問もされました(笑)例えば、巡礼中も常にホテルに泊まっていて、スーツケースを持って来ていると思っていたり…毎日バルやレストランでご馳走三昧もしくは食事付きのホテルだと思っていたり(笑)
きっとわたしのバックパックを背負ったらおじさん達寝込むよ(笑)
バスツアーだそうで、3つくらいスタンプのあるクレデンシャルを持っていました
わたしがクレデンシャルは2枚目に突入したというと写真を撮られました(笑)
さりあ「クレデンシャルを持っているということは、皆さんも巡礼者ですね!」
奥様方「いいえー!わたしらなんて楽ばっかりさせてもろて…まぁ…若いのに偉いわぁ…若さやねぇ…」
ご主人方「29かぁ…そんな若くないな…」
奥様方「まぁ!このおじさんったら!いらんことを!ごめんなさいねぇー」
などなど日本人らしい楽しい会話をさせてもらいました( ♡ ´罒` ♡ )
わたしは本当にそんなに若くはないんです(笑)でもね、奥様方は「わたしらには歩くなんて無理やわ…」と仰ってましたが、カミーノではみなさんまだまだ若いですよ
72歳のアンドレや80過ぎてるでしょって言う人もいっぱいいるからね!
それからびっくりされるであろう重いバックパックを背負って今日の、この旅の大きな目的地のひとつパラドールに向かいました
パラドールとはスペインのあちこちに点在する歴史的建造物を改装した国営ホテルのことです。内装や調度品は映画やお話の中に出てくるお城そのままのような重厚感のある趣です
本当はサンチャゴのパラドールに泊まろうと思ったのですが、6月の時点で空室ナシだったので、レオンで泊まることにしました
パラドールに向かう途中小さな教会で結婚式をしていて、幸せいっぱいの花嫁さんと涙ぐむ花婿さんを見ました
そしてパラドールに着いて、思っていたほど緊張もせずチェックイン出来て部屋に入りました
やっぱりね、すごいよ
お姫様になった気分です( ♡ ´罒` ♡ )
夜ごはん付きにしたので、ごはんまでゆっくり過ごし、レストランに向かう途中また別のカップルの結婚式に遭遇しました!
こちらのお嫁さんも本当に綺麗でした…パラドールで結婚式って絶対嬉しいよ…
わたし…パラドールなら結婚式したいかも…ていうか…結婚式っていいねぇ…
次のだぁりんはそういう選択肢を提案できる人にする!
そしてレストランで席に着き、英語のメニューと真剣ににらめっこしていると、少し離れた隣の席から大変ラフな格好の男性が話し掛けてきました
「ねぇ、英語話せる?巡礼者だよね?さっきレセプションで君の後ろに並んでたんだけど…覚えてる?」
「英語はほんのほんの少し話せますよ」
とオランダから来たエナクとのお話が始まりました
ゆっくり丁寧にわたしがわかるように話してくれました
わたしが話すこともじっくりと待って聞いてくれました
お話の合間に運ばれてきたお料理はとっても美味しく!…と言いたいところですが、ぶっちゃけ前菜はこの旅1番の不思議な物でした(笑)
しかしメインのイベリコ豚の煮物?はこの旅1番の美味しさで、ボリュームも満点でわたしは幸せでした( ♡ ´罒` ♡ )
「君は英語をほんの少ししか話せないと言ったけど、ちゃんと上手に話してるよ。僕が2週間前に会った日本人の男性なんてハローしか言えなかった(笑)ちゃんとこうして楽しい会話が出来てる!僕はもっと話したいけど、巡礼者の宿命…寝る時間だ…」
と気づくと22時になっていました!
エナクな本当に日本人というか、わたしに?興味深々でいろんなことを話しました
わたしはうまく答えれていたのか自信はないけれど、「素晴らしい!」「君はきっとご両親の誇りだね!」とたくさん言ってくれてました
「もし神や天使がいてまたチャンスが与えられたらたくさん話そう。とりあえず今夜はおやすみなさい。ブエン カミーノ」と締めくくりました(神を信じているかという話題もあり、それに引っ掛けてました)
「神のご加護を」ではなく、ブエン カミーノを選んだところに彼の優しさと器の大きさを感じました
またお話出来るといいなぁ
26日目 フルーツたっぷりレモンケーキ( *´艸`)
本来なら5時に起きて6時に歩き始めるはずのわたしの今日は
「パラドールのごはんは素敵よね。ママは朝食がとても気に入りました(๑´ڡ`๑)」と何度か母の口から聞いたので、7時半開始の朝食を食べに行く為予定変更です
一般的なビュッフェ形式の朝食で、スペインらしいメニューが並んでいました
甘いケーキ(フレッシュケーキではなくベイクドケーキ)や数種類の生ハム、トルティージャやパプリカ炒め、レオン名物のソーセージやたくさんのフルーツ!
全部食べたかったのですが、昨夜の夕食終了は22時半、そして朝食7時半開始…まだお腹一杯で…ムリ…
しかし可能な限り味わいました!美味しかった!
レモンのベイクドケーキが本当に美味しくて、エナクもいればよかったのになぁ…と少し残念でした(エナクはたぶん出発してました)
重たいお腹を抱え今日は21キロ離れたヴィジャダンゴスデルパラモという街に来ました
本当にお腹重くて、しかも出発が遅かったから暑くてなかなか大変だった(笑)
出がけに昨日の朝にバルで少しお話したアメリカンアラサーに遭遇しました
俯きながら石ころ蹴り蹴り歩いてました…あなたも十分つまらなそうに見えるわよ…
みんなね、自分って見えないものだから…仕方ない!
何度か休憩してようやく、しかし思ったよりも早く今日のアルベルゲに到着しました٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
今日のアルベルゲは珍しく若い男性がオスピタレロです
まぁ、若いっても30後半?かな
英語は得意ではないと言いながもわたしの為に一生懸命英語とジェスチャーで設備やら説明してくれました
アルベルゲには見知った顔は全くない、また新たなスタートです
もう慣れたしこんな巡礼もありだと思えるようになりました
ヤコブは必要なときに必要な物を与えてくれる
これは本当にそうだと今も思います
今になって連日出逢った日本人
ソフィア達と宗教について語り合った後のエナクとの会話
タイミングも欲しいものも「今」だったんだといつも思います
わたしがカミーノに来たのも「今」だった
今が完璧なタイミング
そんな風に思います
だからきっと次にわたしが望むものもぴったりのタイミングで出逢うはず…
今はそう思うことにしておきます
24日目 そしてレオンへ
昨日の夜はソフィアさんの断髪式で、わたしが切ってメキシコから来た27歳の男の子(スポーツ用品店経営、エベレスト登頂経験有)がバリカンで剃り上げるという作業を約3時間掛けてやり、ようやくソフィアは坊主になりました
大変ご満悦な様子でわたし達も思い出に残るカミーノの1ページを綴ることが出来ました(美容院行くって言ってたべよ)
その後3人プラスドイツ人の素敵なイケメンおじ様と夜のお茶会と洒落込み英語とドイツ語の会話を楽しみました
(半分くらいはわかった!たぶん…)
話は宗教の話になり、世界には日本人は無宗教だと知れ渡っているので、基本的にわたしは聞き役だったのですが…まぁ、思うことはいろいろございました
ソフィアさんはベジタリアンで毎日聖書を読み、聖書を学び生活の中でいつも意識すべきだと言います
動物とわたし達は同じ命を持ってるのよ!食べる為に殺すなんて!と…
とても理想的な生活ですね
しかしエベレストさんは(名前を聞きそびれた…)メキシコではみんな仕事と普段の生活が忙しくて聖書を読んだり学んだり、理想とする生活(植物や動物を育てて隣人を常に助ける…だったかな?)を送るのは事実上難しい
しかしみんな日曜日には教会に行くし、寄付もする、でもそれは本当に神を信仰してるに入るのかは正直わからないと思ってるらしいのです
だからと言ってエベレストさんがキリスト教を否定してるとかではなくて、もちろん自分もカトリックだけど、それだけを誇示する生活は送れないと言います
エベレストさんはお肉大好きで、ごはんを食べる前は必ずお祈りと自分の命を繋ぐ為に命をありがとうと感謝を述べて食べ始めるそうです
大変正直で最もな意見だと思います
しかしまだ若くピュア過ぎるほどピュアでお金持ちのスペシャルパパンがスポンサーになってるソフィアさんには理解できないと声を荒げていました
ソフィアさんは動物は食べません
卵も牛乳も口にしません
でもパスタは食べます
パスタには卵入ってますよね?(笑)
植物や果物を食べます
植物や果物も命がありますよね?(笑)
そしてソフィアさんは「いただきます」をしません(命を奪ってないからだと言ってました)
ベジタリアンを否定するわけではもちろんありません
でもわたしにはエベレストさんの言いたいこと、歯痒い気持ちはなんとなくわかります
「理想的な生活」と「実際の生活」の狭間で悩むのは日本もメキシコもどこも一緒です
エベレストさんはカミーノを歩き始めて1週間で5キロ痩せたと言います
イケメンおじ様も恐らくそうだと言います
わたしもたぶんそんな感じ
でもソフィアさんは「いつもカロリーを調節してるから変わらないわ♪どうしてみんなそんなに痩せるの?日頃の生活が乱れてるのよ♪」と仰います
えぇ…乱れていましたとも(苦笑)
日頃から毎日8時間しっかり眠って尚且つシェスタをしているソフィアさん
カミーノの特権とシェスタをここぞとばかりに楽しむエベレストさんやイケメンおじ様
生活濃度というのか、たぶん国とか環境で変わってくることなんだとは思います
ソフィアの無邪気さは彼女の最大の魅力だとわたしは思います(わたしの知ってる範囲では)
彼女のあの笑顔を前に誰もがついつい微笑んでしまうはず
だからと言ってエベレストさんやおじ様の意見を否定してはいけないと思うんです
エベレストさんは言葉を選ぶように、わたしにもわかるようにゆっくりと丁寧に話してくれました
きっと彼の思いはクリスチャンとしてはあまりお行儀のよくないことなんだと思ってるようで、時にバツが悪そうに話していました
おじ様はさすがにわたし達よりは長く生きてるだけあって決して彼を否定はせず、むしろそれはよくあることだと言っていました
しかしソフィアは納得しません
このカミーノとは言ってみれば、キリスト教を一生懸命世間に広めようと努めたヤコブさんのお墓参りです
ヤコブさんのお墓を目指し世界中からわたし達は集い、歩きます
じゃあみんなヤコブさんの偉業を讃えてるの?
みんなクリスチャンなの?
みんな毎日ミサに出て、いつもロザリオを首から下げ、クリスチャンとしての「理想的な生活」を営んでいるの?
きっといろんな思いがあっていいんです
わたしには矛盾に感じるソフィアのベジタリアンも、ソフィアが納得出来ないエベレストさんの生活も、真っ直ぐに自分の至らなさを悩むエベレストさんも、日本をどこか理想郷のように信じてる風のおじ様も
正解はない問題というか話題なんです
だからこそ否定することなく、「いろんな考えがあるもんだなぁ」と受け止めるべきではないかとわたしは思うのです
あなたはどう思いますか?
もし日本人としてこの話題を目の前で展開されたら
そして突然のソフィアの眠い発言によってお茶会はお開きになり、わたしとエベレストさんはカップを洗いながら少しお話をして、それぞれ冷たくなったベッドに向かいました
エベレストさんはとても礼儀正しい真面目な青年で、断髪式を手伝ったわたしに何度も何度もお礼をしてくれ、わたしはとても好感が持てました
「明日はレオンだね。韓国人の女の子に美味しいタパスのお店聞いたから一緒に行こうよ!レオンではどのアルベルゲに泊まるの?」
と目を輝かせて聞いてきました
スペインに来てから食事に誘われたのは始めてでわたしはとても嬉しくて、自分の泊まる予定のアルベルゲを教えました
彼も同じところに泊まるつもりだったと喜んでいて、明日は3人でタパスかぁ♪カミーノって楽しいなぁ♪と思いながら眠り着きました
翌朝わたしがいつものように5時に起きるとソフィアは健やかに寝息を立てていました
キッチンにはおじ様と同室だった寝言が激しいおじいちゃんが朝ごはんを食べていました
そして出発の際にもソフィアもエベレストさん降りてはきませんでした
ゆっくり歩きのわたしには仲間がいないほうが歩きやすいので特に問題なくひとりで歩き、レオンに入った辺りでジェームズに会いました
ふたりでアルベルゲを探し、受付の際にオスピタレロのスペイン語の質問をジェームズが訳してくれて、とても助かりました
シャワーを浴び、スーパーにジュースを買いに行った帰りにカテドラルに寄るとまたしてもジェームズが(笑)
今日はよく会うねと笑い合い、それぞれ迷いながらアルベルゲに戻りました(笑)
アルベルゲの前にある広場で、スーパーで買ったソーセージの入ったパンとジュースを飲み、宝探しとい称して巡礼者同士でマークを書き込み探すゲームをしている一団を見守りました
部屋が暗いので日陰の涼しいベンチで本を読んでいましたが、ソフィアもエベレストさん来ませんでした
夕方は暑さからか少し頭痛がして、キッチンで軽く夕食を食べ、さっさと寝てしまおうと思っていたら…
日本人女子大生が登場しました!小柄でとっても可愛らしい女の子です!
久しぶりに貪るように日本語で会話しました
その子の登場の直前に友人に「日本語で会話したい」とメールしたばかりだったので本当にびっくりしました(笑)
日本語で話すわたしを見たミックが
「日本語を話すときの君は歌うように話すんだね♪とてもラブリーだよ( ´ ▽ ` )」と言ってくれ
昨夜寝言の激しかったおじいちゃんも
「君達の会話はとてもエスニックでオリエンタルな響きだね。美しい響きだ」と言ってくれました
エスニックでオリエンタルで歌うように津軽弁を捲し立てるわたしをこんなに可愛がってくれるおじいちゃん達がとても愛しいわ♪( ´▽`)
きっと英語と違ってスラスラ言えるんだねってことだと思うけど(笑)
その後1日で40キロ以上歩いてるというチェコから来た強者女子とメロンを食べているとジェームズが登場
オランダの自転車事情を語ってくれました
明日はまたレオン観光の日なので、きっとジェームズともラブリー女子大生
とも強者女子とも今日でお別れです
きっとエベレストさんとも…
イケメンおじ様とも(ノд・。)カナシイ
そしてまた新たな出会いがあるんだろうねぇ(๑´ڡ`๑)
大丈夫、楽しんでるよ!
君が為惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな
長生きなんかしたくないと、親不孝なことをある頃よりずっと思っていたわたしですが、そんなわたしはわたしを想ってくれる人達の為ならば長生きして寄り添いたいと思い始めております
そしてそう思えることはとても幸せなことなんだと気づきました
カミーノは何か新しいものを与えてくれるわけではなくて
自分の中の核の部分、芯をより見つめやすく大きくしてくれるところなんではないだろうか
わたしはカミーノでいかに自分が愛されてるいるか、大切にされているかを再確認している
だからこそわたしは愛したい
恋もしたいけど、そうじゃなくて精一杯わたしを愛してくれる人達を愛したい
幸せにしたい
わたしを愛してくれる人達だけでなく、全ての人を幸せにしたい
夜に朝が続くように
明日に怯えることなく、希望と愛と光に溢れることを当然だと思えるような、全ての人を平和と穏やかな空気が包むような、そんな世界であればいいと思う
たくさんの想いとたくさんの願いが込められたこの道は果てることのない人々の祈りの道だと思う
クリスチャンではないけれど、わたしは人々が祈る姿はとても美しいと思う
たまにミサに参加する
作法がわからず困惑するが、見よう見まねで立ち上がり、また座る
賛美歌は勘弁してもらって、寄付と握手をする
握手をするときの人々の笑顔と手の暖かさは、美しく装飾された祭壇より数段美しく心に響く
日本では宗教をどこか軽んじて、嘲笑する傾向もあったりする
確かに不思議な新興宗教がたくさん存在するのも事実だが、誰かを想い祈る姿勢と言うのは人間が持つ美しさのひとつだとわたしは思う
世代を超え、幾星霜も人々が祈り、捧げてきた宗教建築や宗教画がどうしてこれほど美しく、心に響くのか
腕の良し悪しだけで語れるものではないと思う
わたしはもしこれから機会があるなら、母になりたい
そして子ども達にわたしの母のようにこの美しい人々の営みを見せたい
そしてカミーノを歩かせたい
わたしが気づいたこと、わたしが学んだこと、わたしが受け取った全てのことを次に伝えたい
その為にも長く生きてみたいと思った
23日目 ここにいる
今日は出発早々矢印がなくて、でもわたしだってカミーノを半分も歩いた女なので(もう半分歩きましたよ!)なんとなく方向はわかります
ヤコブが呼ぶ方に歩いていると同室だったガリシア地方出身バグパイプ奏者のおじさんが「こっちだ、ついて来い」と突然登場しました
まぁ、そっちだとは思ってたけど…とわたしが歩こうとした方向に向かいます
そして途中ちょっと迷ってるけど、多分こっちっぽいなぁという雰囲気を醸し出していたオランダから来たジェームズにもおじさんが「そっちじゃない、こっちだ」と言い引き連れます
でもわたしもジェームズが進もうとした方向だと思い、ジェームズと顔を見合わせていると早朝からスピードガンガン出してる地元民が「カミーノはそっちじゃないよ!」と教えてくれました
結局ジェームズが進もうとした道で、おじさん「ごめん、間違った、テヘペロ(๑´ڡ`๑)」ってな感じで謝り、ジェームズは短気さんらしくなんか怒ってました(笑)
ごめんね、そんなに巻くし立ててもわかんないの( ˘•ω•˘ )
そんなわけで即席のチームで歩くこと5分
無駄に足の速いおじさんと、右の靴下にズボンの裾が入ってしまってるジェームズはとろくさいわたしを置いてドンドン進みチームは解散しました…
その後バナナ休憩中のジェームズに追いつきまして、ジェームズは照れながらバナナを食べつつ手を振ってくれました
そしてバルのある次の街までもうすぐといったところで、わたしのアンテナに引っかかるものがありました
この感じ…誰かいる!
すると!そこにいたのは!
ミック‼︎٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
オルテガで一緒にバル休憩したミックです!わたしには珍しい激しいハグで再会を喜びます!
そしてよく見るとアンドレがいて、ダンもいました!
ダンは膝とふくらはぎが痛いらしくサポーターをいっぱいつけてました( ˘•ω•˘ )
そして今日はアンドレのお誕生日だそうで、みんなでハッピーバースディを歌いました(笑)
「アンドレは29歳になったんだよ!」とミック
「あら、アンドレ、同い年だったの?」とわたしが乗ってあげると一同騒然…なぜそんなに驚く…
本当は72歳だって( ♡ ´罒` ♡ )
72歳とほぼ同じペースで歩く29歳…そりゃあびっくりか(笑)
休憩を楽しむおじいちゃん達を残しバルに向かいます
やっぱり3時間近くバルがないのはちょっと遠く感じますね
バル休憩の後ものんびり歩いて、途中高速道路の建設現場のようなところで大きい車(除雪車みたいなのとか)をシゲシゲと眺めながら歩き、今日の目的地マンシージャ デラス ムラスに着きました
ソフィアは次の街まで行くと行ってたので、今日はひとりぼっちです…
と、思ってたら来たよ(笑)
「川で3時間くらい泳いでたら歩くのイヤになっちゃった!♪( ´▽`)」
そりゃあそんな泳いだらイヤになるね♪( ´▽`)
そしてなぜか
「明日レオンに行ったら美容院に行こうと思うの。坊主にしたいんだぁ♪( ´▽`)」
ねぇ、誰かこの子を止めてあげて…
なんで?と聞くと
「泳いでたときに坊主がいいなぁって思ったの」と言うではありませんか…
川で泳ぐと坊主になりたくなるのか?
「清潔、衛生」という単語がDNAにまで染み込んでるナショナリティを持つわたしにはスペインの川(はっきり言ってめっちゃ汚い)で泳ぐという発想すら浮かばないし、坊主にしたいと思ったこともないのでよくわからなんのですが…
日本にいるときは「カミーノから帰ったら髪をパステルカラーに染ようかなぁ♪」とは思ったけど…就活しなきゃだしな…とすぐに諦めたわたしです
明日はレオンですよ
レオンもねぇ、大っきい街です
あっと言う間ですね
てか9月になりましたね
日本では台風やら地震が大変なことになってるらしいですね( ˘•ω•˘ )
半月いないと本当わかんないもんです
日本にいた時のように何時でもネットに繋がってるわけではないので、ニュースもなかなか見れないし…
今の自分が見えている世界が全てのように感じられます
その分大地と空と自分の境界が溶け合って、世界の構成物のひとつとして自分が在るということを肌で感じることができます
星と月を見ながら歩き
太陽がそんなわたしを追いかけてきて
にわとりの鳴き声や小鳥の囀りの中を
いろんな匂いの風と一緒に流離うんです
毎日、毎日似たような、でもどんどん変わっていく景色の中
語り合う相手は自分と遠くに見える風車と街
初めて見るはずなのにどこか懐かしくて、ずっと知っていたようなそんな景色
最近ではあまりに違和感がなくて、ふと父のアルファードが迎えに来そうなそんな感覚を覚えます
ここがわたしのいる「当たり前の場所」のような感じ
とは言ってももちろんいつでも日本に帰りたいという思いはあります
日本にというか家族が待ってる場所に
慣れたってことかしらね?
先週くらいから夢も見るようになったし、お腹も空くようになりました
スペインに、カミーノに慣れたんでしょうね
どんなに慣れても毎日日本の薄味の料理が恋しいです